事実婚(内縁)カップルがパートナーのために絶対やっておくべき3つの生前対策

事務員

先生、最近「事実婚」「内縁」を選択されるカップルが増えていますよね。でも、相談に来られる方の中には「何かあった時、本当にこのままで大丈夫なのかな…」って不安そうな方も多い気がします。

司法書士

そうですね。実は、事実婚(内縁関係)の方は、法律上の夫婦と違って、「何もしないと、パートナーが亡くなった時に1円も相続できない」という厳しい現実があるんです。

事務員

 1円も!? 20年、30年一緒にいてもですか?

司法書士

「私たちは住民票も一緒にしているし、事実婚の証明もあるから大丈夫」……そう思っている方が一番危ないです。 例えば、長年連れ添った夫が亡くなった直後、疎遠だった夫の兄弟が突然やってきて『この家は俺たちが相続するから、来月までに出ていってくれ』と言われたらどうします?

事務員

 えっ!そんな理不尽なことあるんですか。。。

司法書士

実は、法律上、事実婚のパートナーにはそれを拒む権利が一切ないんです。住民票に『未届の妻』と書いてあっても、相続においては無力。これが現時点での法律の冷たい現実です。 そこで、今日は、そんな悲劇を避けるために、事実婚カップルが絶対にやっておくべき「3つの生前対策・遺言書、生命保険、死因贈与契約について」を解説しましょう。

1.遺言書の作成は「絶対条件」

事務員

 まず1つ目は、やっぱり「遺言書」ですか?

司法書士

そう、これは「絶対条件」ですね。なぜなら、事実婚カップルには「法定相続権」がないからです。法定相続権とは、法律上の相続人なら当然にもらえる権利のことです。

事務員

 遺言書がないと、パートナーの財産はどうなっちゃうんですか?

司法書士

亡くなった方の親や兄弟、甥・姪がいれば、すべてその人たちのものになります。もし親族が一人もいなければ、最終的には「国のもの」になってしまうんです。

事務員

 国に!? 長年連れ添ったパートナーを差し置いてですか? それは切なすぎます…。

司法書士

 そうですよね。特に怖いのは、家が「パートナーの名義」だった場合です。遺言書がないと、会ったこともない親族から「家を売るから出ていって」と言われても拒否できないリスクがあるんです。

事務員

 それを防ぐには「パートナーに全て遺す」という内容の「遺言書」を書いておけばいいんですね?

司法書士

その通りです。特に事実婚の場合は、親族から「無理やり書かせた」と疑われないように、公証役場で作る「公正証書遺言」にすることを強くおすすめします。公正証書でつくれば、紛失や改ざんの心配もないし、証明力が強さが違いますからね。

2.生命保険の受取人指定はちょっとした小技

事務員

2つ目は「生命保険」ですか? でも、保険の受取人って「配偶者か親族」じゃないとなれないって聞きませんか?

司法書士

基本はそうですね。でも最近は、「事実婚でも受取人に指定できる」保険会社が増えているんです。これは実務上、すごく使える小技ですよ。

事務員

 え、そうなんですか! 手続きは大変なんですか?

司法書士

会社にもよるけど、「同居の実態がある住民票」や「事実婚の期間が何年以上とか」「事実婚に関する念書」などをいろんな条件をクリアすることで認められるケースも多いです。

事務員

現金がすぐに手に入る生命保険は、遺されたパートナーの生活費として心強いですよね。

司法書士

そうですね。「遺言書で不動産を守り、生命保険で現金を確保する。」この組み合わせが、事実婚の最強の守りになります。

3.死因贈与契約の活用 遺言書との違い

事務員

 最後の3つ目は「死因贈与契約」ですか……。これ、遺言書と何が違うんですか?

司法書士

良い質問ですね。遺言書は「一方的な意思表示」だけど、死因贈与は「あげる側と、もらう側の契約」なんです。

事務員

 契約だと、何かメリットがあるんですか??

司法書士

 最大の違いは、遺言は、一方的な意思表示だから、一方的に撤回ができるんですよ。一方で、死因贈与は契約だから一度結んだら、お互いの合意がないと撤回ができないんですよね。

事務員

 遺言書よりも「二人で決めた」という感じが強いですね。

司法書士

そうです。ただ、死因贈与は、私文書でつくった場合には、遺言のように保管制度がないから、できれば、死因贈与も公正証書でつくっておいて、確実に執行できるようにしておくのが無難ですね。

事務員

 先生、今日のお話を聞いて、事実婚の方は「愛情」だけでなく「書面」で守り合うことが本当に大事なんだなって思いました。

司法書士

その通りですね。手続きは少し面倒かもしれないけれど、その一手間が、大切な人の将来を救うことになるんです。

ここまで、事実婚における相続の厳しさについてお話ししてきました。もしかしたら 『法律は冷たいな』と感じられたかもしれません。でも、法律は決して意地悪をしているのではなく、ただ『書面』がないと動けないだけなんです。 逆に言えば、先にちょっと準備しておくだけで、大切なパートナーの未来は180度変わります。

事実婚パートナーへの対策について、不安をお持ちの方は一度、司法書士ローワン綜合法務事務所へご相談ください。