養子縁組と節税

相続税の節税の話の中で、「養子縁組を利用すれば節税効果がある」、こんな言葉を耳にしたことはありませんか?今回は養子縁組による相続税の節税についてお話していきます。

通常の養子縁組による節税

養子縁組をすることで養子は自分の子として扱われ、相続人としてカウントされるため、相続税の計算において基礎控除額が引き上げられて、その結果により相続税の負担が減少します。つまり、相続人の数が多ければ多いほど相続税の負担を減らすことができるということです。しかし、注意点としては相続税の計算をする上で、養子をカウントできる人数には制限があります。子供のいない夫婦は2人まで、子供のいる夫婦は1人までと決められているため、無制限に何人も養子縁組をしたとしても相続税の基礎控除額を引き上げることはできません。

また、子供のいない夫婦は養子縁組をすることで必ずしも相続税が減少するとは限りません。たとえば、相続人が兄弟姉妹や甥や姪などに及ぶ場合、養子の上限は2人までであるため、兄弟姉妹や甥名が合計で3人以上いる場合には、養子を入れない方が相続税の基礎控除額は多くなります。

孫養子による節税

孫を養子にするすることを世間では孫養子といいます。孫を養子に入れることで相続税の額が減少することがあります。孫を養子にすることでなぜ相続税が減少するかというと、基礎控除額を増やすことができることに加えて、相続を1回飛ばすことができるためです。どういことかというと、相続というのは親子間で行われることが通常であり、親から子、その子から子(孫)へと順に相続は行われ、その都度、相続税は課税されます。つまり通常、孫は2回目に相続を受けることになり、一族としては相続税を2回支払うことになります。そこで、祖父母が自分が生きている間に孫を養子にしておけば相続を1回飛ばすことができ、相続税を1回支払わずに済みます。この方法は、代々多額の資産を有している資産家一族には大きな節税メリットになります。

極端な例ですがたとえば、100億円の遺産を持っている資産家の場合、相続税の税率は最高税率である55%が適用され、1回目の相続で相続税は55億円、2回目の相続では残り45億円の遺産に対して相続税は25億円とされ、各種控除額を考慮しなければ、合計で80億円もの相続税を支払うことになります。もちろんこれは、数字上分かりやすく説明するための極端な例ではあります。この例では孫を養子に入れ、相続を1回飛ばすことで大きな節税効果が得られるのです。

ただし、気を付けていただきたいことがあります。税金の監督をしている税務署が明らかな節税目的の養子縁組と判断した場合には、相続税の計算において養子縁組はなかったものとして取り扱われる可能性があります。実際に税務署がどのような判断をするかは養子縁組をした理由に左右されるところではありますが、たとえば、被相続人が危篤状態となり相続の開始が差し迫った状況で慌てて養子縁組をしたような場合には、税務署から否認される可能性もあるということです。

まとめ

子供のいない夫婦などは養子縁組を利用することにより、相続税を減少させることができ、孫を養子にすることで相続税が大幅に減少することがあります。

ただ、養子縁組をすれば絶対に節税になるということではなく、養子縁組により相続税が減少するかどうかはそれぞれのケースバイケースであるということです。節税対策のみの目的で行うと税務署から否認される可能性もあるということも覚えておいてください。

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