相続放棄の申述をする際に、いくつかの添付書類をつけていく必要があります。たとえば、戸籍謄本などが代表的なものですが、これらの書類は基本的に原本を添付していきます。この中で、今回の相続放棄の申述以外にも使用することができる書類については原本還付の請求をすることができます。
しかし、今回の相続放棄の手続きでしか使用しないような書類(たとえば、申述書や委任状など)は原本還付できません。戸籍謄本などは他の相続手続きでも使用する機会が多いので、できるだけ原本還付の請求をしておくようにしましょう。
原本還付の請求をするときは、特にやり方が法定されているわけではありません。やり方としては、下記のような任意の表紙を作成してそこに原本還付を申請する人の署名押印をしておけば問題ありません。印鑑は申述書と同じく認印で結構です。
複数人の原本還付をまとめて行う場合は、複数の申請者の署名と押印を行ってください。
ちなみに原本還付の書式も裁判所のHPに様式がありますが、地方の裁判所によってあるところとないところがあります。これらを参考にしてもらってご自分で作成する形でもいいでしょう。
表紙を作った後は、例えば戸籍一式を原本還付するのであれば、それらの原本を全てコピーします。そのコピーしたほうの戸籍一式をまとめてホチキス等で止めておき表紙とセットでわかるようにしておきます。必ずコピーを提出することを忘れないようにしてください。コピーの用紙が複数枚に渡る場合でも、とくに契印などはいりません。どの書類を原本還付してほしいのかが裁判所に伝わればOKです。
注意点として、原本還付を請求するときは、一緒に郵便切手を同封することを忘れないようにしてください。裁判所が原本還付用の郵送費を払ってくれるわけではありません。原本が複数枚に渡り、量が多いときはレターパックなどを同封しておけば間違いないでしょう。
以上が相続放棄の原本還付の手続きになります。また、この原本還付の方法は相続放棄の申述だけでなく、熟慮期間の期間伸長の申立てや、限定承認の手続きのときも同じ方法で行うことができます。
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記事監修者
ローワン綜合法務事務所の司法書士・行政書士 中瀬雄太です。
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