子のいない夫婦の相続対策
子のいない夫婦の相続

子がいない夫婦にとって、相続は将来必ず直面する重要な問題です。しかし、誰にどのように財産を承継させるか、相続税はどうなるのかなど、様々な不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。この記事では、子がいない夫婦特有の相続問題を分かりやすく解説し、遺産トラブルを防ぐための対策と円満な相続を実現するための秘訣を専門家の視点から詳しくご紹介します。

具体的には、遺言書の作成方法、法定相続分、相続財産の種類と評価、相続税対策、兄弟姉妹への相続、二次相続への備えなど、知っておくべき情報を網羅的に解説。さらに、夫婦間の話し合いの重要性や、弁護士、税理士、司法書士といった専門家への相談のメリット、エンディングノートの活用方法など、円満相続を実現するための具体的なアドバイスも提供します。

ケーススタディでは、共働き夫婦、片働き夫婦、親と同居している夫婦など、様々な状況における相続対策の例を紹介することで、読者の皆様がご自身の状況に合った対策を検討できるようサポートします。この記事を読むことで、子がいない夫婦の相続に関する不安を解消し、安心して将来設計を行うための知識と具体的な対策方法を習得できます。

子がいない夫婦特有の相続問題

子がいない夫婦の場合、一般的な相続とは異なる特有の問題点が存在します。配偶者以外に直系の相続人がいないため、遺産の行き先が複雑になり、予期せぬトラブルが発生する可能性が高まります。遺産を誰にどのように残したいかを明確にしておくことが非常に重要です。対策を怠ると、時間と費用を要する法的紛争に発展してしまうケースも少なくありません。

相続人がいない場合の相続の流れ

子がいない夫婦で、かつどちらにも両親が存命でない場合は、兄弟姉妹が相続人となります。兄弟姉妹も既に亡くなっている場合は、甥姪が相続人となります。相続人が一人もいない場合は、遺産は国庫に帰属します。これは「帰属財産」と呼ばれます。

相続人の範囲と順位

民法で定められた相続人の範囲と順位は以下の通りです。

順位相続人
1位子供
2位直系尊属(父母、祖父母など)
3位兄弟姉妹
4位兄弟姉妹の子供(甥姪)

子がいない夫婦の場合、配偶者は常に相続人となりますが、配偶者以外の相続人は上記の順位に従って決定されます。例えば、両親が健在であれば配偶者と両親が相続人となり、両親が既に亡くなっている場合は配偶者と兄弟姉妹が相続人となります。兄弟姉妹も亡くなっている場合は、甥姪が相続人となります。

子がいない夫婦における遺産分割の注意点

子がいない夫婦の遺産分割では、特に以下の点に注意が必要です。

  • 配偶者の生活保障:配偶者は、残された生活の保障が重要です。遺産分割協議では、配偶者の居住の確保や生活資金を十分に考慮する必要があります。
  • 兄弟姉妹との関係性:兄弟姉妹が相続人に含まれる場合、良好な関係を築いておくことが円満な遺産分割につながります。事前に遺産分割について話し合っておくことが望ましいです。
  • 二次相続への配慮:配偶者が相続した後に、その遺産がどのように相続されるか(二次相続)についても考えておく必要があります。特に、配偶者に兄弟姉妹がいない場合などは、二次相続で遺産が思わぬ方向へ渡ってしまう可能性があります。

これらの注意点に加え、将来の相続人の生活状況の変化なども考慮に入れ、柔軟な対応ができるように準備しておくことが重要です。例えば、兄弟姉妹の介護費用や、甥姪の教育費用など、将来発生する可能性のある費用についても想定しておくべきでしょう。また、相続税の負担についても考慮し、適切な対策を講じる必要があります。これらの複雑な問題を解決するためには、相続の専門家への相談が有効です。

子がいない夫婦のための相続対策の基本

子がいない夫婦の場合、相続対策は特に重要です。しっかりとした対策をせずに放置すると、遺産を巡って親族間でトラブルが発生する可能性が高まります。また、相続税の負担が大きくなる場合もあります。円満な相続と将来への備えのために、以下の基本的な対策を理解し、早めに対策を始めることが大切です。

遺言書の作成

遺言書は、あなたの意思を明確に伝える最も確実な方法です。子がいない夫婦の場合、遺言書がないと、遺産は配偶者とあなたの両親、兄弟姉妹で分割されることになります。これは、あなたの意図しない形で遺産が分配される可能性があることを意味します。遺言書を作成することで、あなたの希望通りに遺産を分配することができ、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。

遺言書の種類とメリット・デメリット

遺言書には主に3つの種類があります。それぞれメリット・デメリットがあるので、自分に合った方法を選びましょう。

種類メリットデメリット
自筆証書遺言費用がかからない。
手軽に作成できる。
保管方法に注意が必要。
紛失・改ざんの恐れがある。
形式の不備で無効になる可能性がある。
公証証書遺言法的効力が高い。
紛失・改ざんの恐れがない。
費用がかかる。
証人が2人必要。
秘密証書遺言内容を秘密にできる。手続きが複雑。
証人が必要。

遺言書作成のポイント

遺言書を作成する際には、以下のポイントに注意しましょう。

  • 財産目録を作成する:不動産、預貯金、株式など、すべての財産をリストアップします。財産の漏れを防ぎ、相続手続きをスムーズに進めるために重要です。
  • 相続人の範囲を確認する:法定相続人を確認し、遺言の内容に矛盾がないようにします。
  • 遺言執行者を指定する:遺言の内容を実現するために、信頼できる人に遺言執行者を依頼しましょう。配偶者や専門家を指定することも可能です。

民法における法定相続分

遺言書がない場合、遺産は民法で定められた法定相続分に従って分割されます。子がいない夫婦の場合、配偶者と被相続人の父母が相続人となります。この場合、配偶者は遺産の2/3、父母は1/3を相続します。もし父母がすでに亡くなっている場合は、兄弟姉妹が代襲相続人となり、配偶者と兄弟姉妹で遺産を分割することになります。この場合、配偶者は遺産の3/4、兄弟姉妹は1/4を相続します。兄弟姉妹も既に亡くなっている場合は、その子が代襲相続します。これらの法定相続分は、遺言書を作成することで変更することができます。

相続財産の種類と評価

相続財産には、プラスの財産とマイナスの財産があります。プラスの財産には、不動産、預貯金、株式、自動車などがあります。マイナスの財産には、借金、ローンなどがあります。相続では、プラスの財産とマイナスの財産の両方を相続することになります。相続財産の評価は、相続税の計算に必要です。不動産は路線価や固定資産税評価額、預貯金は残高、株式は時価などで評価されます。

相続財産の評価を正確に行うためには、相続の専門家のアドバイスを受けることが重要です。

遺産トラブルを防ぐための対策

子がいない夫婦の場合、相続人は配偶者とそれぞれの親、兄弟姉妹になります。遺言書がない場合、遺産分割協議でトラブルが発生する可能性が高いため、事前の対策が重要です。

遺言書がない場合の相続

遺言書がない場合、民法で定められた法定相続分に従って遺産が分割されます。子がいない夫婦の場合、配偶者と被相続人の父母が相続人となります。被相続人の父母が既に亡くなっている場合は、兄弟姉妹が相続人となります。兄弟姉妹が複数いる場合、それぞれの相続分を調整する必要があり、トラブルに発展しやすいです。また、兄弟姉妹の代襲相続が発生するケースもあり、複雑な状況になりがちです。

遺産分割協議がまとまらない場合、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。調停でも合意に至らない場合は、審判手続きに移行します。これらの手続きは時間と費用がかかるため、できる限り事前の対策で紛争を予防することが重要です。

兄弟姉妹との関係性と相続

被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合、普段から良好な関係を築けているかが重要になります。疎遠になっている兄弟姉妹がいる場合、遺産分割協議が難航する可能性があります。また、被相続人の兄弟姉妹にもそれぞれ家庭があり、それぞれの配偶者や子が相続に関与してくるケースも考えられます。このような状況下では、感情的な対立が生じやすく、トラブルに発展しやすいため、事前に関係性を良好にしておく、もしくは弁護士などの専門家を通してコミュニケーションを取るなどの対策が必要です。

二次相続への備え

二次相続とは、最初の相続(一次相続)の後、相続人が亡くなり、再び相続が発生することを指します。子がいない夫婦の場合、配偶者が先に亡くなり、その後、残された配偶者が亡くなるケースが二次相続に該当します。二次相続では、一次相続で取得した財産も相続財産に含まれるため、一次相続の時点で二次相続まで見据えた対策が必要です。例えば、一次相続で配偶者に全ての財産を相続させる場合、配偶者が亡くなった後に、自分の親族に財産が渡らない可能性があります。このような事態を避けるためには、遺言書を作成し、二次相続における相続人の指定や相続分の指定を行うことが有効です。

相続税対策

相続税は、相続または遺贈によって財産を取得した際に課される税金です。子がいない夫婦の場合、配偶者の税額軽減措置がありますが、相続財産の規模によっては高額な相続税が発生する可能性があります。相続税対策としては、生前贈与生命保険の活用配偶者居住権の活用などが挙げられます。

対策内容メリットデメリット
生前贈与生きている間に財産を贈与する相続財産を減らし、相続税を軽減できる贈与税が発生する可能性がある
生命保険の活用生命保険金は非課税枠がある相続税の納税資金を確保できる保険料の負担が発生する
配偶者居住権の活用配偶者が住居に住み続ける権利相続税の課税対象から控除できる売却などが制限される

上記以外にも様々な相続税対策があります。個々の状況に最適な対策を行うためには、税理士などの専門家への相談が不可欠です。

円満相続のための秘訣

子がいない夫婦にとって、円満な相続を実現することは、将来の不安を取り除き、穏やかな生活を送る上で非常に重要です。円満相続を実現するための秘訣として、以下の3つのポイントを詳しく解説します。

夫婦間での話し合い

相続は、残された配偶者がその後の人生を安心して送れるようにするための大切な準備です。そのため、まずは夫婦間で十分な話し合いを持つことが不可欠です。具体的には、以下のような内容について話し合いましょう。

  • 相続財産の内容:どのような財産があるのか、それぞれの財産の価値や種類、負債の有無などを正確に把握しましょう。
  • 相続に対する希望:配偶者に何を相続させたいか、どのように財産を分配したいかなど、それぞれの希望を明確に伝え合いましょう。財産を特定の人に相続させたい場合は、その理由も共有することが大切です。
  • 将来の生活設計:相続後、配偶者はどのように生活していくのか、生活資金はどのように確保するのかなど、将来の生活設計についても話し合っておく必要があります。例えば、自宅に住み続けるのか、老人ホームへの入居を考えているのかなど、具体的なイメージを共有することで、より現実的な相続計画を立てることができます。

これらの話し合いは一度だけでなく、定期的に行うことが大切です。ライフステージの変化や社会情勢の変化に合わせて、相続計画を見直す必要があるからです。また、話し合いの内容を記録に残しておくことも、将来のトラブル防止に役立ちます。

専門家への相談

相続に関する法律や手続きは複雑で、専門知識がないと理解するのが難しい場合もあります。円満な相続を実現するためには、弁護士、税理士、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。それぞれの専門家の役割は以下の通りです。

専門家役割
弁護士遺産分割協議の調整、相続紛争の解決など、法律に関するアドバイスやサポートを行います。
税理士相続税の申告、相続税対策、財産評価など、税金に関するアドバイスやサポートを行います。
司法書士不動産登記、相続登記、遺言書の作成など、手続きに関するアドバイスやサポートを行います。

専門家に相談することで、客観的な視点からアドバイスをもらえるだけでなく、手続きの負担を軽減することもできます。また、相続に関するトラブルが発生した場合にも、専門家が間に入ることで、円満な解決を図ることができます。費用の目安や相談方法については、それぞれの専門家のホームページなどを参考にしてください。

日本弁護士連合会

日本税理士会連合会

日本司法書士会連合会

エンディングノートの活用

エンディングノートは、自分の人生を振り返り将来について考えるためのツールです。相続に関する希望だけでなく、医療や介護に関する希望、葬儀やお墓に関する希望なども書き留めておくことができます。エンディングノートを活用することで、自分自身の意思を明確にし、残された家族がスムーズに手続きを進めることができるようになります。また、エンディングノートは法的拘束力はありませんが、夫婦間で共有することで、相互理解を深めるきっかけにもなります。

エンディングノートには、以下のような内容を記載することができます。

  • 基本情報:氏名、生年月日、住所、連絡先など
  • 家族構成:家族の名前、続柄、連絡先など
  • 財産に関する情報:預貯金、不動産、有価証券など
  • 相続に関する希望:遺産の分配方法、遺言書の有無など
  • 医療・介護に関する希望:延命治療の希望、介護施設の希望など
  • 葬儀・お墓に関する希望:葬儀の形式、お墓の場所など
  • その他:伝えたいメッセージ、感謝の言葉など

エンディングノートは、書店や文具店などでも購入することができます。また、インターネット上にも無料でダウンロードできるテンプレートが公開されています。自分に合ったエンディングノートを選び、定期的に見直し、最新の状態に保つようにしましょう。

相続手続きの流れと必要書類

子がいない夫婦の場合、相続手続きは一般的な相続手続きと大きな違いはありません。しかし、相続人が配偶者のみ、あるいは配偶者と兄弟姉妹になるケースが多いため、それぞれの状況に応じて適切な手続きを行う必要があります。ここでは、相続開始から相続完了までの流れと、必要書類について詳しく解説します。

相続開始から相続完了までの流れ

相続は、被相続人が亡くなった瞬間に開始します。その後、以下の流れで手続きを進めます。


  1. 死亡届の提出:被相続人の死亡地、または届出人の住所地、本籍地の市区町村役場に7日以内に死亡届を提出します。



  2. 相続人の確定:戸籍謄本等を取得し、相続人を確定します。子がいない夫婦の場合、配偶者と被相続人の父母、兄弟姉妹が相続人となる可能性があります。被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得することで、相続人を確定できます。



  3. 遺産の調査:預貯金、不動産、株式、自動車など、被相続人が所有していた全ての財産を調査します。プラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含まれます。



  4. 相続放棄・限定承認の検討:マイナスの財産が多い場合、相続放棄や限定承認を検討します。3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てる必要があります。



  5. 遺産分割協議:相続人間で、誰がどの財産を相続するかを話し合いで決定します。子のいない夫婦の場合、配偶者単独で相続する場合も多いですが、兄弟姉妹がいる場合は、彼らとの間で遺産分割協議を行う必要があります。遺産分割協議書を作成し、全員の署名と実印を押印します。



  6. 相続税の申告と納付:相続税の対象となる財産がある場合、10ヶ月以内に税務署に相続税の申告と納付を行います。相続税の申告には、様々な書類が必要となります。



  7. 名義変更手続き:遺産分割協議に基づき、不動産や銀行口座、自動車などの名義変更手続きを行います。各機関によって必要書類が異なるため、事前に確認が必要です。


必要書類と取得方法

相続手続きには様々な書類が必要となります。主な書類と取得方法を以下にまとめました。

書類名内容取得方法
戸籍謄本相続人を確定するために必要な書類被相続人の本籍地の市区町村役場
住民票除票被相続人の最後の住所地の市区町村役場被相続人の最後の住所地の市区町村役場
固定資産税評価証明書不動産の評価額を確認するために必要な書類不動産の所在地の市区町村役場
預貯金通帳・残高証明書被相続人の預貯金の残高を確認するために必要な書類各金融機関
遺産分割協議書相続人全員で遺産の分割方法を決定したことを証明する書類相続人全員で作成

その他、相続財産の種類によっては、さらに多くの書類が必要となる場合があります。

相続手続きは複雑で、多くの時間と労力を要します。必要に応じて、弁護士や税理士、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。専門家に依頼することで、手続きの負担を軽減し、スムーズな相続を実現することができます。

ケーススタディで見る子がいない夫婦の相続対策

ここでは、子がいない夫婦の相続対策について、具体的なケーススタディを通して見ていきましょう。様々な状況を想定することで、より実践的な対策を検討することができます。

ケース1 共働き夫婦の相続対策

共働き夫婦の場合、どちらにも一定の収入と財産があるケースが多いです。そのため、遺言書を作成し、お互いを相続人に指定しておくことが重要です。また、二次相続も考慮し、それぞれの兄弟姉妹への相続分についても検討しておきましょう。例えば、夫の兄弟姉妹と妻の兄弟姉妹で相続割合を調整することも可能です。

項目内容
夫の財産預貯金1,000万円、自宅不動産5,000万円
妻の財産預貯金500万円、株式投資300万円
遺言書妻を第一順位の相続人、妻の死後は妻の兄弟姉妹と夫の兄弟姉妹で遺産を分割

具体的なケースを通じて、より深く理解を深めることができます。

ケース2 片働き夫婦の相続対策

片働き夫婦の場合、収入の大半を一方の配偶者が担っているケースが多いです。そのため、遺族の生活保障を最優先に考える必要があります。遺言書を作成し、生活資金を確保するための対策を講じましょう。生命保険の活用や、配偶者居住権の設定も有効な手段です。また、二次相続も考慮し、残された配偶者の死後、財産がどのように相続されるかを明確にしておくことが重要です。

項目内容
夫の財産預貯金300万円、自宅不動産3,000万円
妻の財産無し
遺言書妻へ自宅不動産を相続、妻の死後は夫の兄弟姉妹へ相続
生命保険受取人を妻に指定、死亡保険金1,000万円

ケース3 どちらかの親と同居している夫婦の相続対策

どちらかの親と同居している場合、親の介護費用同居する住宅の所有関係なども考慮する必要があります。親の財産についても、将来どのように相続されるかを事前に話し合っておくことが大切です。また、夫婦間で遺言書を作成し、親の介護に貢献した配偶者への配慮を示すことも重要です。同居の親が所有する住宅を夫婦のどちらかが相続する場合、他の兄弟姉妹との間でトラブルが発生する可能性もあるため、事前に十分な話し合いを行い、遺言書などで明確に意思表示しておくことが重要になります。

項目内容
夫の財産預貯金500万円
妻の財産預貯金200万円
夫の親の財産自宅不動産4,000万円
遺言書(夫の親)自宅不動産を夫へ相続
遺言書(夫)妻を第一順位の相続人、妻の死後は妻の兄弟姉妹と夫の兄弟姉妹で遺産を分割

様々なケースを想定し、適切な対策を検討することが重要です。

よくある質問

子がいない夫婦の相続対策に関して、よくある質問とその回答をまとめました。

Q1 遺言書は必ず作成するべきですか?

遺言書は必ずしも作成する必要はありませんが、作成することを強くおすすめします。子がいない夫婦の場合、法定相続人は配偶者と亡くなった方の両親または兄弟姉妹になります。遺言書がない場合、遺産分割協議でトラブルが発生する可能性が高くなります。遺言書を作成することで、自分の意思を明確に示し、遺産分割協議を円滑に進めることができます。また、相続税対策にも有効です。

具体的なケースとしては、配偶者に全財産を相続させたい場合や、特定の親族に特定の財産を相続させたい場合など、法定相続分と異なる相続割合を希望する場合は、遺言書の作成が必須となります。また、寄付などの意思も遺言書で示すことができます。また、遺言書は公正証書で作成することでより確実に安心して財産を承継させることが可能です。

Q2 相続税はどのくらいかかりますか?

相続税は、相続財産の総額から基礎控除額を引いた金額に対して課税されます。基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。子がいない夫婦の場合、法定相続人が配偶者と両親であれば、基礎控除額は4,800万円となります。配偶者のみであれば基礎控除額は3,600万円となります。したがって、相続財産の総額が基礎控除額以下であれば、相続税はかかりません。

相続税の計算は複雑で、財産の種類や評価額、特例などによって異なります。正確な相続税額を知りたい場合は、税理士などの専門家にご相談ください

相続財産評価方法
不動産路線価方式、倍率方式など
預貯金相続開始日時点の残高
株式相続開始日における取引所の終値など

Q3 専門家に相談するメリットは何ですか?

専門家に相談するメリットは、専門的な知識と経験に基づいたアドバイスを受けられることです。相続に関する法律や手続きは複雑で、一般の方が全てを理解することは困難です。専門家は、相続に関する様々な問題について、適切な解決策を提示してくれます。

具体的には、遺言書の作成、遺産分割協議、相続放棄、相続税対策など、相続に関するあらゆる問題について相談することができます。また、相続トラブルが発生した場合には、弁護士に相談することで代理人として交渉や調停、訴訟などを行ってくれます。専門家に相談することで時間と労力を節約できるだけでなく、より有利な結果を得られる可能性が高まります。

相続の専門家は、弁護士、税理士、司法書士、行政書士など複数存在し、それぞれに役割やできる事が違います。必要に応じて専門家を選ぶ必要があります。

弁護士・税理士・司法書士の役割

  • 弁護士:相続に関する紛争解決、遺産分割協議の代理など
  • 税理士:相続税の申告、相続税対策のアドバイスなど
  • 司法書士:相続登記、遺言書の作成、遺産分割協議書の作成など

司法書士ローワン綜合法務事務所では、相続に関するあらゆる相談を無料で承っております。「どこに相談したいいかわからない」「何から手を付けていいかわからない」という方は、まずは、相続の窓口として当事務所をご活用ください。必要に応じて各専門家と提携し、ワンストップでお客様に適切な相続サポートをさせていただきます。

まとめ

子がいない夫婦の相続対策は、円満な相続と将来のトラブル防止のために非常に重要です。特に、遺言書の作成は、ご自身の意思を明確に示し、相続人同士の紛争を未然に防ぐための有効な手段です。法定相続分に従って相続が行われる場合、配偶者と兄弟姉妹で遺産が分割されることになりますが、遺言書があれば、ご自身の希望通りに財産を分配できます。

また、二次相続も考慮し、配偶者だけでなく、ご自身の親族への配慮も忘れずに行いましょう。相続は複雑な手続きを伴うため、遺言書の作成をお考えの場合は、司法書士等の専門家への相談も有効です。円満な相続を実現するために、夫婦間でしっかりと話し合い、必要に応じて専門家のサポートを受けながら、早めの対策を心がけましょう。

相続や遺言書のことでお悩みの方は、相続に強い司法書士ローワン綜合法務事務所にお気軽にご相談ください。

記事監修者

ローワン綜合法務事務所の司法書士・行政書士 中瀬雄太です。
相続の豊富な経験を活かし、皆様のお悩みに寄り添います。

はじめまして、司法書士の中瀬です。
最後まで記事をご覧いただきありがとうございます。

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