成年後見制度

成年後見制度とは?

成年後見制度とは精神上の障害により、物事を判断する能力が十分でない方について(知的障害、精神障害、認知症など)、本人を法律的に保護、支援する制度のことです。

財産侵害を受けたり、人としての尊厳を損なわれたりすることがないように、その権利を守る援助者という意味である後見人等を選任することによって、行われます。

たとえば、認知症を患っている一人暮らしの祖母が悪質な詐欺業者に騙されて高額な商品を買わされたりした場合などが想像しやい場面です。こういった場面でも、成年後見制度を上手に利用することで被害を防ぐことができる場合があります。

成年後見人とは、認知症や知的障害などにより、判断能力が不十分な状態にある方が生活をしていく上で不利益を被らないように本人の代わりに判断をする人のことであり、判断能力が不十分な状態で行った契約などの行為は法律上無効なってしまう可能性があるため、後見人が本人に代わって契約する必要があります。

成年後見人になるためには家庭裁判所の手続きが必要となります。

●どんな時に成年後見を必要と感じるのか

具体的に成年後見を必要と感じる例としては、

こんな時を想像してみてください

・銀行で親の預金が下ろせず、成年後見人をつけるようにアドバイスされた。
・親が悪徳商法や、詐欺の被害に遭わないか心配。
・自分達夫婦が亡くなった後、知的障害のある子供のことが心配。
・認知症の親の手続きや、老人ホームへのお金の手続きに本人でないと困ることが多い。

上記のような場合に、成年後見を検討される方が多いようです。とはいっても、まだまだ成年後見の制度の認知はそこまで進んでいないようで、知らないという方も多いのが実情です。

成年後見制度の種類

●法定後見

成年後見制度には2種類があります。法定後見と任意後見ですが、法定後見は既に判断能力がなくなってしまった場合に事後的に活用する制度であるのに対し、任意後見は判断能力があるときに、事前に手を打っておく制度になります。

法定後見の制度では、本人の有する判断能力の大きさに応じ、

  • 後見
  • 保佐
  • 補助

の3つに区分されます。

すでに判断能力が十分でない人について家庭裁判所に申立てをし、援助者(後見人等)を選任。本人に代わり、財産管理や法律行為を行うことができます。

補佐の場合には補佐人、補助の場合は補助人がそれぞれ選任されます。

●任意後見人

任意後見は、今現在は判断能力に問題のない人が将来に備えて手続きしておくものです。

将来に備え、元気なうちにあらかじめ信頼できる人(親族など)と支援内容について公正証書を作成し、契約を結ぶことにより、実際に判断能力が低下した際、家庭裁判所での所定の手続きを経て後見が開始されます。

認知症になる前で、ご高齢の家族のいる方からのご相談の多い制度で、認知症対策の1つとして活用されます。法定後見よりも、後見人のできる範囲に制限があり、基本的に後見契約に定めた内容の範囲内でしか活動することはできません。また、法定後見人のように取消権がありませんので、契約内容を取り消したりする権限はもっていません。

成年後見人の役割と仕事内容

●財産管理


本人の財産、(預貯金、家や土地などの不動産など)を管理します。

具体的には、自宅や土地などの不動産の管理や、預貯金、有価証券の管理、年金の管理、本人が行なうべき遺産分割協議や売買契約、賃貸借契約などが挙げられます。

●身上監護

身上監護とは、医療、介護、施設入所に関する契約等の本人の生活に関する法律行為を行なうことで、具体的には、入院の手続き、医療費の支払いや、施設入所の手続、介護費用の支払い、要介護認定の申請等の手続きが挙げられます。

成年後見人の役割や仕事では無いもの

成年後見人ができることとしては事務的に行なうものがメインとなってきますので、食事や入浴のお世話や、介護サービスを自ら提供するような内容ではありません。

また、食料品や衣料品などを購入するような日常生活に必要な行為は本人が自由に行うことができます。

なお、成年後見人が本人の居住用の不動産を処分するには家庭裁判所の許可が必要になります。ここでの「処分」には売買行為だけでなく、賃貸や抵当権の設定なども含まれます。居住用の財産を勝手に後見人が処分できるとしてしまうと、本人が不利益を受ける可能性があるため、本人を守るための規制です。

家庭裁判所への報告

家庭裁判所は、必要な時はいつでも後見人に対して財産管理などの報告を求めることができます。実際には年に1回程度の報告であることが多いです。

ただし、本人の居住先が住宅から施設に変化したり、重要な財産を処分したり、本人の生活環境が大きく変わったような場合には、その都度、家庭裁判所に報告する必要があります。

なお家庭裁判所からの指示に従わずに、報告を怠り続けると、家庭裁判所が後見人を解任することもあります。

超高齢化社会の日本

令和元年において、成年後見制度を利用している人はまだ約22万人に過ぎません。年々右肩上がりで増加してきているものの、これは本来の後見ニーズ(判断能力が不十分とみられる人の数:推定1035万人)のわずか数%しか満たしていません。

これには、いろいろな原因がありますが、後見制度自体のに認知がまだまだ世間に薄いこともその1つです。

日本は超高齢化社会に突入していくので、今後も成年後見の利用者は増えていくことと予測されます。親族や専門職だけでは後見需要の全てを賄うことはななり難しいと思われます。

今後の増え続けていく後見需要にたいして親族や専門職に代わる新たな担い手として市民後見人の期待がされていくことになるでしょう。

成年後見のご相談

当事務所では、成年後見の申し立てから、認知症対策として任意後見契約の締結サポートなども行っております。成年後見について専門家に話を聞いてみたいと思われた方はお気軽にご相談ください。

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