「家族信託」という言葉を聞いたことはあるけれど、自分の家庭に必要かどうか分からない…。そんな不安を抱える方は多いのではないでしょうか。特に、70代を迎えて財産や今後の生活について考え始めた方にとって、家族信託は重要な選択肢のひとつとなり得ます。

本記事では、「家族信託とは何か」という基本から、「家族信託が向いている家庭の特徴」まで、家族信託を得意とする司法書士の視点で分かりやすく解説します。

家族信託とは?まずは仕組みを理解しよう

家族信託の基本構造

家族信託とは、自分の財産の管理や運用・処分を、信頼できる家族(受託者)に託し、自分や家族の将来のために活用してもらう仕組みです。

  • 委託者:財産を持ち、信託を設定する人(通常は親)
  • 受託者:財産を管理する人(通常は子ども)
  • 受益者:財産の利益を受け取る人(委託者本人が多い)

たとえば、認知症になった後でも、子どもが親の代わりに財産を管理・活用できるようにするための手段として注目されています。

成年後見制度との違い

似た制度に「成年後見制度」がありますが、家族信託はより柔軟で、事前の意思を尊重した財産管理が可能です。特に「将来こうしてほしい」という希望を細かく設定できるのが大きな特徴です。

家族信託が向いている家庭の特徴

1. 認知症による財産凍結を避けたい家庭

高齢化により、認知症のリスクが高まっています。もし委託者が認知症になってしまうと、不動産の売却や預貯金の引き出しなどができなくなり、生活や介護費用の支払いに支障が出ることも。いざというときに、親の預金からお金を出すことができなくなり、子が自ら費用を負担することになってしまいます。家族信託なら、元気なうちに信託を設定することで、万が一のときにもスムーズな財産管理が可能です。

2. 不動産を複数所有している家庭

賃貸物件などの収益不動産を持っている家庭は、相続時にトラブルが起きやすくなります。家族信託では、不動産の管理や収益分配の方法をあらかじめ定めることができ、相続争いの予防につながります。

3. 障がいを持つ子どもがいる家庭

将来的に親が亡くなった後、障がいのある子どもが経済的に困らないように支援したいというニーズにも、家族信託は対応可能です。親が元気なうちに設定しておくことで、長期的な生活支援が実現できます。

4. 再婚家庭・複雑な家族構成の家庭

再婚などにより、法定相続とは異なる形で財産を分けたい場合、遺言書だけでは不十分なことがあります。家族信託では、「自分が亡くなった後は配偶者に、さらにその後は前妻との子に財産を承継させたい」といった遺言では実現できない複雑な希望も実現可能です。

5. 自営業者・法人オーナーの家庭

会社の株式などを所有している方は、認知症などで意思能力を失うと経営の継続に支障が出ることも。家族信託により、後継者に経営権限を託しておけば、事業承継の円滑化にもつながります。

家族信託の活用例

【ケース1】認知症のリスクに備える

愛知県に住むLさん(75歳)は、持ち家と預貯金を保有しています。最近、物忘れが増えてきたことから、将来の財産管理に不安を感じ、長男を受託者として家族信託を設定。今後認知症になっても、長男がスムーズに不動産の管理や生活費の支払いを行えるようになりました。

【ケース2】障がいのある子の将来を守る

Mさん(72歳)は、知的障がいを持つ次男の生活が不安で家族信託を検討。自宅を信託財産とし、長男を受託者、次男を受益者として設定。これにより、親が亡くなった後も、長男が財産を管理しながら、次男の生活を支援できる体制が整いました。

家族信託を検討する際の注意点

信頼できる受託者の選定

家族信託では、受託者の裁量が大きくなるため、信頼できる人を選ぶことが何より重要です。親子間であっても、役割や責任についてしっかり話し合うことが必要です。できれば家族会議を開いて、家族全員で納得したうえで信託設計をするのが望ましいです。

家族信託は専門家への相談がカギ

家族信託は自由度が高い分、制度設計を間違えると効果が得られない場合もあります。そのため、信託契約書の作成には、司法書士など家族信託の専門家の支援を受けることをおすすめします。

まとめ:家族信託は「将来に備えたい」ご家庭に有効な選択肢

家族信託は、将来の認知症リスク、相続トラブル、障がいのある子どもへの支援など、さまざまな家庭の課題を解決する強力な手段です。特に、70代以降の方で「今のうちに備えをしたい」と考える方には、ぜひ一度検討していただきたい制度です。

家族信託は決して特別な家庭だけのものではありません。今や、誰にでも必要となり得る“新しい財産管理のカタチ”です。ただし、なにがなんでも家族信託がベストというわけではなく、任意後見や遺言などの制度としっかりと比較検討をしたうえで、専門家のアドバイスを受けながら自身の家庭に家族信託が必要なのかどうかを判断してください。

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