日本では、「不動産の所有者は誰か?」を明確にするために、その権利関係を公示しておく制度があります。この制度のことを「不動産登記」といい、法務局という役所にて登記の手続きをします。法務局に登記簿(登記記録)を備えて、所有者や担保権者が誰なのかということを公示しておくことで、不動産取引の安全が保たれています。

そのため、不動産の名義が売買や相続、贈与によって変更した場合には、登記申請をして名義変更を行う必要があります。

不動産の売買

不動産の売買が成立したら、速やかに登記申請を行う必要があります。これを行わないと、自分が不動産の所有者であることを第三者に主張することができません。

不動産業者が絡む通常の売買であれば、売買契約締結後、司法書士の立ち会いのもと、登記に必要な書類の授受と確認と引き換えに売買代金の決済が行われます。

その後に所有権を売主から買主へ変更する所有権移転登記を行います。

売買による所有権移転登記には、主に登録免許税等の実費と、司法書士への報酬が必要になります。

売買の登録免許税の実費

項目税率備考
土地の登録免許税評価額×1.5%
建物の登録免許税評価額×2%※一定の要件を満たした居住用不動産は0.3%
抵当権の登録免許税債権額×0.4%※一定の要件を満たした居住用不動産は0.1%

【その他の費用】
・固定資産評価証明書 約350円
・住民票 約300円
・登記事項証明書 600円×不動産の数

司法書士報酬(売買)

当事務所の司法書士報酬は以下の通りです。

項目報酬額備考
所有権移転登記50,000円〜不動産の評価額や個数によって異なります
抵当権設定登記40,000円〜債権額によって異なります

不動産の贈与

不動産を贈与した場合、贈与者から受贈者への所有権移転登記が必要になります。

贈与による所有権移転登記には、主に登録免許税等の実費と、司法書士への報酬が必要になります。

贈与の登録免許税等の実費

項目税率備考
登録免許税評価額×2%

【その他の費用】
・固定資産評価証明書 約350円
・住民票 約300円
・登記事項証明書 600円×不動産の数

司法書士報酬(贈与)

当事務所の司法書士報酬は以下の通りです。

項目報酬額備考
登記および書類作成費用50,000円〜不動産の評価額や個数によって異なります

不動産の相続

相続が発生した場合、被相続人名義の不動産の名義変更をする必要があります。相続による所有権移転登記には期限がありませんので、そのまま放置してしまうケースもありますが、あまりお勧めできません。

相続による登記を放置し続けることで、さらにその後2次相続3次相続と発展していった場合、権利関係が複雑になり、相続人の書類を集めるだけでも物凄く大変な作業になります。その分、専門家への報酬も高額になっていきます。

また、2024年より相続登記が義務化されることで、過料による措置もとられる予定ですので、できるだけ早めの手続きをお勧めします。

相続による所有権移転登記には、主に登録免許税等の実費と、司法書士への報酬が必要になります。

相続の登録免許税等の実費

項目税率備考
登録免許税評価額×0.4%

【その他の費用】
・戸籍謄本 1通450円 改正原戸籍・除籍 1通750円
・固定資産評価証明書 約350円
・住民票 約300円
・登記事項証明書 600円×不動産の数

司法書士報酬(相続)

当事務所の司法書士報酬は以下の通りです。

項目金額・税率備考
相続登記の報酬55,000円〜不動産の評価額や個数によって異なります
戸籍の収集20,000円(5通まで)5通目以降は1通2,000円
遺産分割協議書作成20,000円〜

抵当権を設定した場合

不動産を担保に銀行などの金融機関から融資を受けた場合、不動産を担保に供したことを公示するために抵当権または根抵当権の設定登記をする必要があります。

担保権の設定による(根)抵当権設定登記には、主に登録免許税等の実費と、司法書士への報酬が必要になります。

担保権設定の登録免許税等の実費

項目報酬額備考
登録免許税借入額×0.4%※一定の要件を満たす居住用不動産の場合0.1%

【その他の費用】
・印鑑証明書 200〜300円程度
・登記事項証明書 600円×不動産の数

司法書士報酬(担保権設定)

当事務所の司法書士報酬は以下の通りです。

項目報酬額備考
抵当権設定登記40,000円〜借入額によって異なります

住宅ローンを完済した場合

住宅ローンを完済した場合、不動産についている抵当権等の登記を抹消させる必要があります。住宅ローンを完済したとしても自動的に抵当権の登記が抹消されるわけではありません。

住宅ローンを完済すると、銀行から手続きに必要な書類と案内が届くことが多いです。もし届いていない場合は銀行等に直接確認してみてください。

銀行から手続きの案内はありますが、抵当権抹消の登記を勝手に行ってくれるわけではありませんので、そのままにしておけば登記が残ったままとなってしまいます。

完済による(根)抵当権抹消登記には、主に登録免許税等の実費と、司法書士への報酬が必要になります。

抵当権抹消の登録免許税等の実費

項目報酬額備考
登録免許税不動産の個数×1,000円

司法書士報酬(担保権抹消)

当事務所の司法書士報酬は以下の通りです。

項目報酬額備考
抵当権抹消登記15,000円申請する法務局1箇所の金額です

不動産登記のことは司法書士にお任せください

司法書士は不動産登記のプロです。初めての方でも親身に対応させていただきますので、不動産登記のことでお悩みの方は、弊所までお気軽にご相談ください。

また、不動産業者様や金融機関様からのご相談もお受けしております。