今回は相続登記についてのお話です。被相続人の所有していた不動産の名義が被相続人が亡くなってから何年も放置されていることもめずらしくありません。
相続登記を放置したままにしておくと、後に売買などで名義を変えないといけない場面に出くわしたときに現在の権利関係が複雑になっていると、手続きが非常に大変になる可能性があります。本来は難しくない相続登記でも物凄く大変な作業になることもあります。
相続登記をしようと思った時に大きく分けて2つの選択肢があります。1つ目は「自分で登記申請をする」、2つ目は「司法書士に依頼して登記申請してもらう」のどちらかです。もちろん法律手続きに詳しい知り合いがいればその方に頼むこともあるかもしれませんが、今回はその話は置いておきます。
そもそも相続登記は自分でもできるの??
相続登記は自分でもできます。もちろん、あくまで一般的な相続登記の話です。一般的というのは、亡くなった方の相続人が配偶者と子1人でその相続人に法定相続分通りに登記するような場合です。
一口に相続登記といっても、大変なものもあれば、比較的簡単なものもあります。たとえば、祖父の相続登記を放っておいてそのまま父が亡くなって2代に渡る相続登記をする場合と、単純に1代だけの相続登記をする場合では当然難易度は異なります。2次、3次と相続登記をする場合には、その間にたくさんの共有者がいて現在の権利関係が非常に複雑になっていることもあります。
それでもしっかり調べながら慎重に行えば自分で相続登記をすることも十分可能です。ただ、一生に一度か二度の相続登記ですので慣れてない分、その手続きの煩雑さに戸惑う部分もあるでしょう。役所や法務局へ何度も足を運んだりと、時間も労力もつかいます。そういったことを苦にならない方であればそれほど難しい手続きには感じないかもしれません。
相続登記を司法書士に頼むと高いの??
司法書士は”登記”の専門家であり、相続登記も例外ではなく多くの方が司法書士に依頼しています。司法書士に依頼する場合には、当然ですが費用がかかってきます。これは、一概には言えませんが事務所によって多少の違いがあります。一般的な相続登記であれば、おおよそ5万円〜10万円くらいの事務所が多いです。もちろんあくまで一般的な相続登記の金額ですので、複雑な相続登記になると何倍も金額が上がることはあります。
その金額を高いと考えるかどうかは人によっても価値観が分かれるところです。ですが、たとえばご自分で相続登記をするのに書類集めや書類作成に丸3日かかってしまったのでは司法書士に依頼した方がかえって安くなるということもありえます。
ちなみに、相続登記の申請だけを依頼するのか、戸籍などの書類収集から全てをお任せするのかでも費用は異なってきます。
相続登記を司法書士に頼むメリット
相続登記を司法書士に頼む最大のメリットは、やはり「時間が有効活用できる」ことです。慣れない書類作成や戸籍収集、登記申請を自分で行って多くの時間を取られるよりも、司法書士に依頼するばその時間を有効活用することができます。司法書士のように登記を仕事にするのでない以上、登記申請や書類作成のやり方を覚えることのメリットはそこまで大きいとはいえません。
もう1つは、ミスが限りなく少ないということです。登記は内容に不備があると法務局から「補正」の連絡があります。補正になると法務局に出向いて直せるところを直さなければいけません。補正で済めばいいですが、一般の方が登記申請を行うと大きな不備があれば最悪の場合、却下や取下げをくらうことなる可能性もあります。
登記の申請は一字一句細かく確認されるのでちょっとでも違っているとすぐに補正になります。このリスクは普段から登記業務に従事している司法書士に依頼することで極限に減らすことができます。
相続登記を司法書士に頼むデメリット
相続登記を司法書士に頼む最大のデメリットは、「費用がかかる」ことです。上記でもふれたように自分でやるときにかかる時間や労力を考えたときに、その費用をデメリットと感じるかどうかは人それぞれです。
登記に関しては、どの司法書士に頼んだとしても結果が大きく変わるというものではないので、司法書士に支払う報酬もそれほど大きく乖離することはありません。
相続登記で司法書士を選ぶときに注意すること
知り合いに司法書士がいればその方に相談するのが1番です。司法書士の知り合いがいない方がほとんどなので、その場合は近所の司法書士事務所を訪ねてみる、もしくは各都道府県に司法書士会があるのでそちらの相談会を利用する方法もあります。また、今の時代は事務所のホームページを持っている司法書士も多いので、「お住まいの地域+相続登記」や「お住まいの地域+司法書士」などの複数キーワードで検索してみるとおそらくすぐに検索できます。
1番気になるところは費用面だと思いますが、それよりもその司法書士と相性がいいかを基準にして選ぶのも大事です。戸籍などの個人情報を預けるわけですから費用が安いからといって信用できない人に預けるのも気が引けますよね。
まとめ
今回のテーマである「相続登記は自分でできるか?」については、もちろん可能です。相続登記をご自身で行っておられる方もたくさんいます。
その際に最低限必要となる書類についてこちらの記事にまとめてありますのでぜひ参考にしてみてください。
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自分でできるかどうかの判断も踏まえて、不安な方は一度司法書士に相談してみると解決策が見つかるはずです。
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記事監修者
ローワン綜合法務事務所の司法書士・行政書士 中瀬雄太です。
相続の豊富な経験を活かし、皆様のお悩みに寄り添います。
はじめまして、司法書士の中瀬です。
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